小野国際社会保険労務士事務所

採用はスピード勝負 ~台湾人材編~

おはようございます、小野です。

今回は台湾ネタになります。
日本の大手老舗アパレルメーカーA社様の台湾進出に伴う人材採用のお手伝いを
させていただいた際の話になります。

台湾新店舗のオープニングメンバーとして、台湾人のワンさん(仮名)の選考が進んでいました。
ワンさんは日本在住で、日本語も非常に丁寧。面接後のコメントからも、A社様への志望度が
かなり高いことが伝わってきました。

しかし、今回の採用プロセスを進める中で、私が強く感じたことがあります。
「とにかく時間がかかりすぎる。。。」
ということです。

3月に一次面接、4月に対面面接、5月に合格連絡、6月に条件書、そして正式承諾。
結果的には無事に採用が決まりましたが、一次面接から正式承諾まで約3か月を要しました。
もちろん、A社様も意図的にゆっくり進めていたわけではありません。私自身、A社様の日本本社の
ご担当者様と何度もやり取りを続けていましたが、これがA社様の日本国内における通常の
採用プロセスのようでした。

ただ、台湾の採用マーケット感覚で見ると、これはかなり長いです。
台湾はタイ以上に人手不足が深刻です。台湾労働部の統計でも、多くの欠員が発生しており、
少子高齢化も急速に進んでいます。
特に小売・サービス業では、「人が採れない」という声を日常的に耳にします。
実際、台湾国内で無職の方を採用する場合、一次面接で即日判断、その翌日から勤務開始
というケースも珍しくありません。むしろ、それぐらいのスピード感で動かなければ、人材を採用できないと
言っても過言ではありません。

今回のワンさんは日本在住で、しかもA社様への志望度も非常に高かったため、何とか最後まで
待っていただけました。しかし、これが台湾国内在住の候補者であれば、途中で他社に決まっていた
可能性はかなり高かったと思います。

また、台湾では優秀な人材ほど海外へ出たり、自ら起業したりする傾向も他国に比べて強い
印象があります。そのため、採用マーケットに出てくる優秀層そのものが限られています。

私は今回のやり取りの中で、何度か「もう少しスピード感を持って進められたほうが良いと思います」
とお伝えしました。採用市場の前提条件が日本と台湾では大きく異なるからです。
もちろん、海外進出の最初のメンバーですから、慎重になるお気持ちは十分理解できます。
ただ、その慎重さゆえに、本当に欲しい人材を逃してしまっては本末転倒です。

日本もタイも、人手不足と言われています。ただ、それでも台湾ほど深刻な人手不足には
まだ陥っていないと思います。しかし、優秀な人材ほど待ってくれないという点は共通しています。

今回、私自身も改めてA社様に台湾国内の採用事情やスピード感をお伝えさせていただきました。
台湾進出後は、ぜひ今以上にスピード感を持って採用に取り組んでいただきたいと思っています。

海外採用において、スピードは単なる効率の問題ではありません。
時として、スピードそのものが採用力になるのだと、今回改めて感じました。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)