小野国際社会保険労務士事務所

新入社員が定着するための「入社後ケア」

おはようございます、小野です。

企業に入社して間もないタイ人材から、
「思っていた仕事と違う」 「雰囲気になじめない」 「日本語が使えず不安です」
といった声が急に届くことがあります。
中には、入社して数日で辞意を示したり、連絡が急に途絶えてしまうケースもあるようです。
せっかく時間とコストをかけて採用した人材が、思いがけず早期退職してしまう。
そんな「期待が裏切られたような経験」をお持ちの方も、多いのではないでしょうか。

では、なぜ「期待の新入社員」ほど、早期に離職やギャップを感じやすいのでしょうか。
いくつか要因を挙げてみたいと思います。

まず、面接や応募書類だけでは、「その人が本当に会社に合うか」は判断しにくいという点です。
職務経歴やスキル、志望動機は確認できても、「価値観」や「仕事の進め方に対する考え方」は
見えづらいものです。特に日本とタイでは、仕事に対する感覚や日常の価値観が異なる場合が
あるため、その「ギャップ」が入社後しばらくして一気に表面化することがあります。

同じ日系企業でも会社ごとに雰囲気や仕事の進め方は異なります。
入社前のイメージと実際の職場が食い違うと、「思っていた環境と違う」と感じてしまうことは
珍しくありません。また、新卒の方の場合は、初めて本格的に日本式の働き方に触れるわけですから、
会社の文化や日本式のコミュニケーションに慣れるまでどうしても時間がかかります。
「頑張ります」と言って入社しても、実際の業務に触れた瞬間に、想像以上の戸惑いを
感じることもあります。

さらに、新入社員ならではの「誰にも相談できない」という孤立感も大きな要因です。
価値観が違う中で、不安や戸惑いを抱きつつも、誰にも相談せずに一人で悩みを抱え込む場合が
あります。その結果、心が折れやすくなり、「自分には合わない」と感じて離職を決断してしまうことが
少なくありません。

こうした事態を防ぐためには、「採用して終わり」ではなく、採用後のフォローを前提にした仕組み
作りが欠かせません。具体的には、入社後のオリエンテーションや、こまめな面談、困った時に
すぐ相談できる環境を整えることが挙げられます。

最初の1ヶ月は「定着の分岐点」です。
この期間に「この会社なら大丈夫だ」と安心感を持ってもらえると、会社への信頼も自然と高まり、
仕事に集中しやすくなります。逆に、この時期に不安を抱えたまま放置されると、ちょっとした
つまずきが退職につながってしまうこともあります。

もちろん、すべてのケースを救えるわけではありません。スキルのミスマッチや価値観の深刻な違いで
離職につながる場合もあります。ただ、入社後のフォローを丁寧に行うことで、早期離職のリスク
を減らすことは十分可能です。

もし、現在貴社で「採用したけどすぐ辞められる」 「新人が定着しない」と感じているのであれば、
採用のプロセスだけでなく、入社後の居心地良い職場環境をぜひ見直してみてください。

人材を採用して終わりではなく、採用してからが始まりです。
人材を迎え入れたあと、どれだけ安心して働ける環境を用意できるかが、人材定着の鍵となります。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。(小野)