小野国際社会保険労務士事務所

無制限!?の有給休暇制度

おはようございます、小野です。

「残りの有給、あと何日だったっけ・・・?」
そんな煩わしさから解放してくれるように見えるのが、アメリカで導入が進む
“Unlimited Vacation Policy(無制限休暇制度)” です。

有給休暇が「無制限」に取り放題という信じがたいこの制度、5%ほどの企業に導入されている
ようですが、Microsoft やNetflix、Goldman Sachs といった大手はすでに導入しており、
人材獲得・定着のアピールポイントとして注目を集めています。

しかしこの制度、実際にどうなんでしょうね、、、
導入済みの企業の社員の声に耳を傾けてみると、その実態は少し違うようです。

・チーム次第で「天国」にも「地獄」にも
「無制限」と言いつつも実際は「年6週間まで」という“暗黙の上限”があり、休暇はマネジャーの
許可制であることに不満が噴出しているようです。一方で、職場によっては「自分のカレンダーに
直接予定を入れればOKで気軽に休める」といった声もあり、同じ会社でも部署や上司次第で
制度の実効性が変わるのが現実のようです。

・ 「「制度」より根強い“文化”の壁
2022年からシニア職に無制限休暇を導入し、一般職にも年3週間の取得を義務化た企業も
ありますが、社員の中には「連休を取っても、結局リモートでメール対応は続く」 「周囲に遠慮して
結局2日しか取れなかった」といった声が散見されるようです。

この制度にはアメリカの「超」成果主義文化が背景にあると思います。
つまり、「休んでも構わない。でも成果を出せなければ、評価されず、解雇もあり得る。」という
極めてシンプル且つシビアなロジックが、制度の前提にあるからこそ成り立っているようです。
う~ん、、、
無制限休暇は、このような文化とは“相性がいい”とも言えます。

「結果さえ出していれば、いつ休んでもいい。逆に、休んでも結果が出なければ自己責任」
この合理性は、自由と引き換えに強烈なプレッシャーも生み出します。

実際には、以下のような理由でうまく機能しないケースも多くあるそうです。
取得日数がかえって減る・・・日数の消化義務がないことで休みを取りづらくなる。
評価がブラックボックス化・・・ 「あの人は取りすぎ」と言われかねない雰囲気。
制度が企業のコストカット手段に・・・有休の未使用分を買い取らなくて済むため、
企業には都合がよい。

なかなか想像し難いですが、仮にこの「無制限休暇制度」を、タイに導入したらどうなるんでしょうね。
個人的には現時点では非現実的すぎる制度だと思います。

ただ5年前のビジネスの常識が通じない今の世の中、
「え、昔は休暇は有限だったんだ!?あり得ない!!」
AIのさらなる進化によって、近い将来、タイでもこのような会話が当たり前になっていかもしれません。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)