おはようございます、小野です。
今回は台湾からタイに進出した(或いは設立準備中の)企業2社の、人材採用に
まつわるエピソードをお話させていただきたいと思います。
C社は商標・ライセンス関連のエージェント、
R社は某工業団地に工場を建設中の産業素材メーカーです。いずれも弊社台湾法人から
繋いでもらった台湾系企業ですが、窓口は日本人取締役の方でした。
C社が探していたのは、営業マネージャー。
R社は日本人技術部長の専属通訳を求めていました。
いずれのポジションも台湾本社との日々のやりとりがあるので、中国語必須です。
R社の通訳は日本人技術部長の専属通訳なのですが、その方が中国語が堪能なため
日本語は不要とのことでした。
両社とも「台湾に留学経験があれば歓迎」としていましたが、タイ人のほとんどは中国大陸の
ほうに留学に行く傾向にあるので、台湾留学経験者は稀です。最近になって台湾に留学に
行くタイ人も増えてきましたが、中国が流暢な方はまだまだ希少です。
両社とも人材を数名紹介し面接を実施いただきましたが、なかなか採用には至らず、
「少し日本語人材も見てみたい」という流れに。
小野「台湾本社とのやりとりが日々あるのに、中国語が出来ないと仕事に
ならないのでは・・・? ^^;」
R社「弊社には日本語流暢な人材はたくさんいますので、そのあたりは大丈夫です。
もちろん、中国語が出来ることに越したことはありませんが、日本語人材も見てみたいですね。」
C社も同様でした。
最終的に2社とも人材を採用いただいたのですが、驚くべきことに採用されたのは
なんと「日本語人材」でした。。。繰り返しになりますが、2社とも日系じゃなく台湾系です。
C社「中国語人材より、日本語人材の方が何かしっくりきたんですよね。」
R社「タイ人の中国語人材は、言葉ではなかなか表現しにくいのですが、なんとなく
フィーリングが合わないと言いますか。。。弊社台湾人スタッフも、スムーズなコミュニケーション
が難しいと感じたようです。」
先に述べたように、タイ人のほとんどは中国大陸のほうに留学に行くので、感性の部分で
微妙に合わないと感じたのかもしれません。
両者とも面接いただいたのが、日本人取締役及び日本語堪能な台湾人取締役(及び
台湾人スタッフ)だったというのも、少なからず影響していたのかもしれません。
昔台湾で山の奥地で言語が違う民族同士の共通言語が「日本語」だったという
逸話を、今回の「しっくり」という言葉を聞いた時に、ふと思い出しました。
歴史的にも深い関係を持つ日本と台湾なので、日本語人材の方が最終的に「しっくり」
きたのかもしれません。感覚的なものなので、私には何とも言えませんが、、、
私自身、今回の採用プロセスに関わりながら、不思議な感覚を覚えました。
ただ過去に私も、「何となくしっくり」「フィーリングで」人材を採用した経験があります。
採用において、「スキル」「経験」などの基本的なスキルは大前提として、最終的に迷った場合
「フィーリング」や「直感」に頼って採用を決定された経験をお持ちの方も、皆さんの中にも
いらっしゃるのではないでしょうか。
戦略通りにロジカルに計画的に採用が進めば理想ですが、うまくいかない時に
「フィーリング」や「直感」が力を発揮することもあります。
それが「採用」というものなのかもしれません。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)