小野国際社会保険労務士事務所

カウンター・オファー

T様「会計スタッフを大至急探していただきたいのですが、、、
入社予定だった方が急に辞退してきたので、非常に困っています。」

小野「それは大変ですね。ところで、なぜ辞退してきたのですか?」

T様「勤務先の企業から強烈な引き留めにあったみたいで。
結局弊社が提示した額より、少し高い給料に昇給することになったそうです。」

おはようございます、小野です。
冒頭のやりとりは、つい先日A社の採用担当者のT様とのやりとりになります。

せっかく人材の採用が決まって一安心も束の間。。。
・勤務先の引き留めにあい、辞退(昇給付きのメースが多い)。
・並行して受けていた他社からより良い条件でオファー。

このような理由で、入社予定の人材から突然辞退の連絡が入ったら、
採用した企業としてはたまったものではありません。
いわゆる「カウンター・オファー」というものです。

当該人材(Bさんとします)に関し、T様に更に詳細を伺いました。
・Bさんの現在の給料はTHB30,000。
・彼女の希望給料はTHB35,000。
・オファー額はTHB32,000、Bさんは受諾。
・その後Bさんが上司に退職の旨を告げたところ、引き止めにあい
急遽THB33,000に昇給。Bさんは退職を思いとどまり、辞退。

小野「なぜTHB32,000でオファーされたんですか?」

T様「面接時に彼女がそれでOKだと言ったもので、、、しかし今思えば
ケチらずにもう少し高い条件でオファーすれば良かったと、後悔しています。」

小野「そんなにBさんは魅力的な人材だったんですか?」

T様「はい、経験・スキルも性格も申し分なく、是非弊社に来てほしかった人材です。」

小野「では、THB35,000で再度オファーしてみたらどうでしょう?」

T様「え!?そういうのアリなんですか・・・?」

小野「はい、そこまで欲しい人材であれば、再オファーされてみてください。
ただ一度は辞退されているので、ダメ元で。。。THB35,000の提示は問題ないですか?」

T様「はい、彼女はそれぐらいの給料を払っても問題ない人材です。
では再度オファーしてみます。ダメ元で、、、」

結果、BさんはA社様の再オファーを受諾し、今度こそ無事に入社が決定しました。

A社様のケースは一例ですが、カウンター・オファーは概ね以下の状況で起こりやすい
傾向にあります。
1.現在の給料とオファー提示額にあまり開きがない。
2.面接時に面接官が本人に「この額でも良いですか?」と確認し、その額をオファー。

1の場合。
内定受諾後に、その情報を知った並行して受けていた企業から、カウンター・オファーを受けて
しまうことが起こり得ます。

2の場合。
「だって面接時に本人がこの給料で良いと言ったので、、、」というのが面接官の言い分ですが、
「雰囲気的にNoと言えませんでした。」というのが人材側の言い分&ホンネです。

そして気持ちがスッキリしないものの、現状より少なからず給料がアップするので、
そのままオファーを受けてしまい、その後に他社(或いは勤務先)からより良い
カウンター・オファーを受ける。これは、十分に起こり得ることです。

例えば人材の中には、今の給料がTHB28,000であるにもかかわらず、(あわよくば)
THB40,000と高すぎる希望額を出してくる方も時々いますが、こういう方々は論外です。

今回のBさんのようなケースは、給料交渉のプロセスにおいて時に「微妙なさじ加減」が
必要になってきます。この場合は面接時に直接本人と交渉をせず(人材にとってはそれなりに
プレッシャーに感じるし、実は結構嫌がっているものです)、紹介元のエージェントの担当者に
任せた方が無難だと思います。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)