小野国際社会保険労務士事務所

採用に介入してくる本社

A社担当者様「昨日面接したSさんの評価、社内でも非常に良かったです。
弊社としましては、是非次のステップに進んでいただきたいと考えております。」

小野「Sさんも貴社に大変興味を持っていたので、良かったです。引き続き宜しくお願いします。」

A社担当者様「最終面接はソンクラーン明け、本社の事業部長が来タイし面接を実施します。」

小野「え、ソンクラーン明けですか・・・?(゚∀゚)」

おはようございます、小野です。

これは3月中旬に人材を面接いただいた後の、A社の採用担当者様との実際のやりとりです。

こういうケースもありました。

B社担当者様「弊社としては是非Tさんに内定を出したいと考えております。本社の最終承認まで1週間前後かかると思いますので、くれぐれもTさんによろしくお伝えください。」

小野「ありがとうございます。Tさんは貴社が第1志望なので、1週間程度であれば全然問題ないと思います。」

そして1週間後、、、

小野「本社の最終承認プロセスの状況は如何でしょうか・・・?」

B社担当者様「それが、、、タイ法人で日本語人材の採用が初めてということで、日本語手当に関し、5月の役員会の議題にあがることになりそうです。。。^^;」

小野「え!(゚∀゚) 5月。。。ですか?」

B社担当者様「はい、、、ここだけの話、弊社はこういう事でも毎回本社役員会が承認しないと進まないんです。本当に申し訳ございません、困ったものです。」

A社&B社の事例、如何でしょうか。
「え?今どき・・・?」と感じた方もいらっしゃると思いますし、
「うわっ、それそれまさにウチだ。。。」という方もいらっしゃると思います。

このように現地スタッフの採用に対して、本社が現地法人に必要以上に介入してくるというケースが時々見受けられます。

冒頭のA社に関しては、コロナ禍は役員面接は即WEB面接を実施し、スピード感を持った選考プロセスだったのですが、、、
なぜ逆戻りしてしまったのでしょう、非常に残念です。

既に現地の責任者が対面で面接をし採用の意思があるので、本社はWEB面接で済ませるべきだと思います(それ以前にWEB面接もそもそも必要ない)。どうしてもリアルで会って面接したいのであれば、役員のスケジュールでなく、現地法人のスピード感に合わせたスケジュール対応を本社側がすべきです。

B社に関しても、遠く離れた本社の会議室で「日本語手当」の議論をするよりも、現地法人が現地の専門家の意見を参考にしながら、現地で草案を策定するに越したことはありません。

一瞬、某ドラマの
「事件は“会議室”で起きてるんじゃない! “現場”で起きてるんだ!!」
というフレーズが頭をよぎりました。少し古いですね、、、汗

本社の意思決定が遅いことによって、現地法人は大きな機会ロスを被ります。
これでは相思相愛で期待を膨らませていた人材も、時間とともに熱が冷めてしまいますし、
「もしここに入社したら、本社の意思決定の遅さに自分も振り回されるのかな。。。」と
余計な不安を抱えてしまいます(それが理由で実際に内定を辞退した例もあり)。

何よりも大変なのは、現地法人で奮闘しているプレイングマネージャーとして
ご活躍中の皆さんです。せっかく良い人材に巡り会えたのに、オファーが出せないもどかしさもあれば、本社と人材(或いは人材紹介会社)の板挟みとなり、本来であれば不要なストレスを抱え、精神的にもツラいと思います。

一方で、採用プロセスは完全に現地に一任し、かなりのスピード感をもって
採用をグイグイと進めていく企業もかなり増えてきました。

同じ日系企業でも大きく違う採用のスピード感。
これによって組織としての成長や成熟が、大なり小なり中長期的には変わってくると思います。

皆さんはこの問題をどのように思われますか・・・?

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)