小野国際社会保険労務士事務所

新卒人材、日本語が流暢なほど採用しづらい!?

おはようございます、小野です。

まずは下記をご覧ください。
N3 THB 20,000~25,000
N2 THB 25,000~30,000
N1 THB 28,000~40,000

これはバンコクの新卒日本語人材の給料相場です。
※弊社が日々面接・紹介している実例ベースでの目安となります。
 
「新卒で40,000バーツ?」
「高い・・・!!」
「やっぱりウチはN1は必要ないかな、、、」
「そもそも日本語人材は必要ないし。」等々

皆さんの多くがこのように思われたのではないでしょうか。

実際に弊社が日本語人材の求人をいただく際も、
日本語レベルはN3~N2のレンジが最も多く、N2ですら
「N2だと給料が高くなるので、そこまで必要ないですね。」という
企業様が多いのが現状です。N1人材はそもそも構想外です。

確かに新卒で35,000バーツの人材が入社してしまうと、ローカル30代
のアシスタントマネージャー層に示しがつきません。給料のバランスが
一気に崩れてしまうおそれがあります。

実際にタイ人N3人材の場合、会話力のみに関して言えば中華圏を
中心とした他国の人材よりも上手なので、英語とミックスしながらオフィスワーク
業務を遂行できている企業が大半ではないでしょうか。

これが通訳となればニュアンス的な部分でN3では厳しいものがありますが、
多くのN3人材が通訳として活躍中であるというのも事実です。

結果的に、新卒や20代においてはN3やN2で、その後N1に合格した人材のほうが
就職の選択肢が広いのです。
そして、N2、N3人材に比べ、職種や業種にこだわりがあるのがN1人材です。。。

では、優秀すぎるがゆえにニーズの低いN1の皆さんはどこに就職するのでしょうか?

・大学と太いパイプのある大手日系企業が、そのまま採用。
・郊外に通訳職として就職。
・妥協してN2ゾーンまで給料を落とし就職する。

苦労して就職したN1人材は一旦就職すると、N2、N3人材に比べ簡単には
離職しようとせず、比較的定着が良く一つの企業に長く勤務する傾向にあります。

タイの場合、他国と比べると日系企業以外における、いわゆる非日系企業の
日本語人材に対するニーズはまだまだ低く、日系企業に優位性がありますので、
彼らが「日本語人材」というカテゴリーで日系企業以外に就職することは稀です。
(本件については、改めて別のトピックでお伝えしたいと思います。)

蛇足ですが、N1で日本語堪能で優秀な営業人材であれば、現地採用日本人人材
よりニーズがありそうですが、そもそもオフィスワークを希望する方が多いので、N1営業人材は
極稀です。私の知り合いに、営業の出来るN1人材がいますが、皆さん起業して自身で日本
マーケット向けのビジネスをやっています。

このような事情から、頻繁に転職マーケットには出てこないN1人材ですが、
一方で皆さん「虎視眈々」と、チャンスを伺っています。

チャンスが少ないので、もし自身の経験を活かすことができるオフィスワーク系の求人が
あれば、積極的に情報収集をし、かなり柔軟に動きます。
30代半ば~40代前半、給料が60,000~100,000バーツ以上のN1人材に多い傾向です。

これらの方々は自身の職域に対して専門性が高く(特に管理系やHR系)、
また日本語が堪能なので(単なる通訳としてではなくマネージャーとしての)
タイ人スタッフとのパイプ役、日本本社との連携等、幹部候補として大いに期待できます。
当然タイ人スタッフのマネージメントにおいて、日本人より長けています。

「リーマンショック」「コロナ禍」等、これまで世界的危機が訪れるたびに
「駐在員の代替として、日本人現地採用スタッフを幹部に」
「タイ人幹部を育てローカライゼーションを進めていく」という気運が高まりつつも、
結局中途半端に終わり、振り出しに戻ってしまう日系企業を、これまで数多く見てきました。

一方、実際にローカライゼーションがうまく進んでいる企業もありますし、台湾などは典型的な
例で、日本人不在の日系企業が数多く存在し、台湾人への権限委譲がどんどん進んでいます。

世界的に日系企業の競争力が相対的に年々低下している今、在タイ日系企業も
いまいちどローカライゼーションについて、真剣に議論すべきなのかもしれません。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)