小野国際社会保険労務士事務所

退職理由、国籍よりも環境!?

<業務内容>
・タイオフィス⇔日本本社とのやり取り。 
 ⇒本人に決裁権は無く、あくまで事務的なもの。
・日本からタイへ輸出する製品の納期調整。
・一般的な庶務全般。
・状況に応じ通訳・翻訳業務(日本語-タイ語)。
・小口現金等の管理。

<条件>
・日本人、年齢性別不問。
・事務職の経験。
・読み書き含めたビジネスレベルのタイ語。

小野「1点お伺いしたいのですが、この業務内容であれば、日本語可能な
  タイ人スタッフを採用するのが一般的ですが、なぜ今回は日本人を・・・?」

F社ご担当者様「タイ人スタッフは長く続かないので、今回は日本人現地採用スタッフに
切り替えてみようと思いまして。今回も1年半勤務したタイ人スタッフの退職に伴う採用です。」

小野「なるほど、そのような背景があったんですね。^^;」

おはようございます、小野です。

このやりとりは、ある日系商社の担当者様とのものです。

「タイ人は長く続かないから、日本人を採用する。」

お気持ちは理解できますが、理由が少し支離滅裂な気が、、、
では、
「日本人だったら辞めない」のでしょうか・・・?
「タイ人だったら長く勤務しない」のでしょうか・・・?

この件については正解を出すのは非常に難しく、
いや正解はないのかもしれません。

私の個人的経験から意見を申し上げますと、
「タイ人より日本人の方が、『いつか』辞める可能性が高い。」です。

日本人=タイでは外国人。
現地採用の方々のほとんどが、「海外で経験を積みたい」「海外で生活したい」等
の理由で、タイで働いています。しかしその大半の方が
「そろそろ日本に帰国したい。」
「このままタイにいて将来大丈夫なのだろうか・・・?。」
「もう海外生活はお腹いっぱい、満足。」
「日本の両親が高齢なので心配。」等々

このような理由で、やがて日本へ帰国していきます。
(中には更に別の国に移住される方もいらっしゃいますが、、、)

弊社のみでのデータになりますが、
2005年~2015年にタイで就職を決定された方の90%以上が
何らかの理由で既にタイを離れています。

残りの10%未満の方は、
・タイ人と結婚し家庭を築いた
・勤務先で出世しタイ現地法人の幹部になった 
・現在もタイで勤務し公私共に充実した生活を送っている
こういった方々です。

一方タイ人の方は如何でしょう。
タイ人の場合、20代はかなり転職回数が多い方が一般的です。
より良い給料や職場環境を求め、良い条件があればすぐに転職をする。
このあたり、日本人の感覚からすればかなりフットワークが軽いです。

「タイ人はよく転職する」という話をよく耳にしますが、あくまで20代に限った話です。
おそらく日系企業に勤務するスタッフは、20代のスタッフがマジョリティだからだと思います。

ただ、20代の転職回数に限って言えば、中華系の国の方がタイ人より圧倒的に転職します。
ほんのわずかな給料の違いだけの理由で、1ヶ月も経たないうちに転職するという中華系の
方々のケースを、過去に私は何度も見てきました。我々日本人の感覚からすれば、やり方
「かなりエグい」方が結構います。彼らからすれば、日本人の方が変わっているのですが。

なので、むしろ「タイ人はそこまで転職しない。」というのが私の考えです。

そして国を問わず、
「子供が出来たので落ち着きたい」「ローンがある」「今更職場が変わったら適応が大変」等、
みなさん理由はそれぞれですが、30歳あたりから次第に落ち着きだし、35歳を超えたらあまり
転職に対し積極的でなくなります。これは各国共通です。

先ほどの問いに話を戻しますと、
「日本人だったら辞めない」のでしょうか・・・?
「タイ人だったら長く勤務しない」のでしょうか・・・?

私個人的には
「日本人も続かない人はすぐ退職するし、いつか帰国することを想定しておく必要がある。」
「タイ人は若い頃は転職しやすい傾向にあるが、年齢・経験を重ねるに連れ、
次第に落ち着いていく。」 こういう感じでしょうか。

そもそも「タイ人はすぐ辞める。」と、ステレオタイプで物事を考える前に、
「じゃあなぜウチのタイ人スタッフは辞めてしまったのだろうか?」と、自社の
スタッフが定着するための、社内環境改善の取り組みをおこなっていることが大前提ですが、、、

最後に蛇足ですが、冒頭のF社様は、最終的に日本人とタイ人日本語スピーカー人材を
並行して探していく方針に切り替えられました。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。(小野)