小野国際社会保険労務士事務所

辞める社員に敢えて聞いてみる

おはようございます、小野です。

「最高のチームを目指したい」
「生産性の高い組織をつくりたい」
「社員一人ひとりにとってやり甲斐のある職場にしたい」

このような想いを掲げつつ日々努力していても、
組織のリーダーをやっていれば、「社員が退職する」という場面に遭遇します。
組織に変化はつきものです。
それが転職が当たり前の海外であれば、なおさらです。

日本では一度も経験が無かった「部下の退職」を、
海外に出て初めて経験された方も多いのではないでしょうか。

社員が辞めることは、何度経験してもリーダーとしてはショックで辛いものです。
しかし落ち込んでいても仕方ないので、辞める社員の心の奥にある感情を
しっかり理解することが、リーダーとして今後の組織の成長のために重要です。

「家族の理由」
「親戚の看病」
「留学に行きたい」
「新しい経験を積みたい」等々、、、

退職時する社員は様々な理由をつけますが、残念ながらこれは表向きであることが殆どです。

例え上記理由が本当であったとしても、
「今の会社で働きたい」「もう今の会社に居たくない」という2つの気持ちを天秤にかけ、
「もう今の会社に居たくない」という気持ちが51以上になったから退職するのです。

本当に「今の会社で働きたい」と考えていれば、どういう手段を使ってでも
残る手段を模索するはずですし、将来戻る約束をして退職するはずです。
実際に本当に戻りたくて、退職後に同じ会社に戻る社員もいます。

社員の退職は、リーダーにとって組織の問題点の見つける大きなチャンスです。
これを良い機会と捉え、退職する社員のホンネを聞き出して、組織の改善に活かしてみましょう。
退職者の本当の気持ちを把握していないと、下手をすると退職者が続出するという自体に
なりかねない場合もあります。

ただし、「ねえ、本当の退職理由を教えてよ?」みたいな、直球型の質問は勿論NGです。

スタッフが退職を申し出た数日後に、個人面談をして例えばこのような質問をしてみてください。

「私はこの会社をもっと良くしていきたいと思っているんだけど、
問題点が一つあるとしたら何かな?」
「この会社をより良い組織にするために、改善すべき点があるとしたらどこかな?」

自分自身の業務から組織全体の範囲まで、質問された退職予定の社員は最初は
驚くかもしれませんが、意外と素直に意見を言ってくれるものです。

「◯さんと◯さんのコミュニケーション・関係が悪い」
「業務の責任範囲が不明瞭」
「日本人不在時は◯◯さんの態度が急変する」
「昇給が少ない、昇給がない。コロナで業績が悪かったのは理解できるけど、説明がほしかった」
「説明無しにリモートワークが急に無くなった」等々、、、

もちろん個人の主観的な意見もありますが、中には将来大問題になりかねない
貴重なフィードバックがあることも。。。

※上記は全て実際にあった退職理由で、我々エージェントにはこのような
「ホンネ」を話してくれる方がほとんどです。

実は問題点が上司である自分自身にある可能性も。。。^^;

こういう質問もしてみると良いでしょう。
上司「この組織をより良いものにするために、私自身がチームにできることは何だと思いますか?」

部下「もう少しみんなの意見を聞いたほうが良いと思います。。。」

中には一瞬「ムッ」とする意見もありますが←私は経験済み(汗)、
そこは怒らず反論ぜずに言いにくいことを言ってくれた部下に対し、
「貴重な意見をありがとう!」と感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。
きっと退職日までしっかり業務を頑張ってくれるはずです。

いかがでしょうか。
退職する社員も、リーダーの行動次第で貴重なリソースになる可能性があるというお話でした。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。(小野)